A. 主成分は 「ポリ・アルキレングリコール・モノエーテル」 です。一般的にはグリコール系と呼ばれており、現代の車には全て使われていると言っても過言ではありません。
ブレーキフルードには次の性能が必要ですが、グリコール系はこの性能をバランス良く持っています。
このグリコールに 「酸化防止剤」 や 「防錆剤」 などの添加剤を加えて長期間の使用に耐える品質設計がなされています。特種な例では、レース用のシリコン系や鉱物油を使用する場合もあります。
グリコールの欠点は 「吸湿性」 があることです。つまり、空気中の水分と仲良くなる性質があります。
フルード中の水分が多くなると、沸点が下がり、ベーパーロックの発生する危険性が高まるため、2年程度で全量交換します。車検整備では必ず行う作業です。
車の塗装面に付着すると、塗装を痛めますので、すぐに水で洗い流してください。
A. 良く知られているのは 「DOT 規格」 です、DOT とは 「アメリカ連邦自動車安全基準」 (FMVSS) で定められており、日本では JIS 規格 (JIS-K 2233) として規定があります。DOT と JIS はほぼ同じと理解してかまいません。
数字が大きければ大きいほど沸点 (液体が沸騰する温度) が高くなっていますが、吸湿性も高くなります。
一般的な車には DOT-3 や DOT-4 が使用されています。DOT-5.1 はレースなどの特種な場合に使用します。
参考 | DOT-5 の原料はシリコンですので、グリコール系の DOT-3 や DOT-4 と混ざると分離するため、混合使用はできません。 また、ブレーキシステムに使用されているゴムシール等のゴム類に対して攻撃性が高いですので DOT-5 が指定されている場合にだけ使用します。 |
Gulf PRO Techno ブレーキフルードは全て JIS 認定工場で生産され、DOT 及び JIS 規格に合格しておりますので、安心してご使用ください。
A. DOT-5.1 はシリコン系の DOT-5 と同じ性能を発揮できるように開発されたグリコール系の高沸点フルードで、シリコン系とは原料が異なる別のフルードです。
用途はレース用と考えてください。ドライ沸点とウエット沸点は DOT-5 と同じです。DOT-5.1 の登場によって、すでにシリコン系の DOT-5 は使用されなくなりつつあります。
A. DOT-4 よりも沸点が高く、DOT-5 よりも沸点が低い中間的な位置付けのフルードですが、DOT や JIS に Super DOT-4 の規格は存在しません、あえて分類するのであれば、DOT-4 となります。
市販車でサーキット走行をする時などに使用するフルードです。
A. 確かに、JIS 6種 は存在しますが、DOT 規格に DOT-6 は存在しません。
JIS 5種 のワンランク上の沸点を持っているものではなく、冷寒時の ABS 性能を確実にするために定められました。つまり、極低温時の流動性を高めてある製品です。
ヨーロッパの寒冷地で使用するためにできた規格の ISO-4925 : 2005 Class-6 に JIS 規格が合わせたものです。我が国では必要ありませんし、入手性も良くありません。
A. ドライ沸点とは、新品のフルードが持っている性能で、ウェット沸点は車に使用中の沸点と考えてください。
つまり、ウェットはフルード内の水分が約 3.2% になったときの沸点を示しています。ブレーキフルードは実際に車に使用しますので、沸点性能はドライよりもウェットで判断すると良いでしょう。
A. 長い下り坂などで、ブレーキを頻繁に使用すると、ブレーキシステムが高温になり、ブレーキフルードが沸騰、特にキャリパー近くのフルードが泡だらけになり、ペダルからの圧力を伝えられなくなる現象のことを指します。
ベーパーロックを起こしにくい性能は DOT の数字 (大きい方が有利) で判断します。
A. 文字どおり、ブレーキライン (フルードの通路) 内の気泡を抜く作業のことです。ライン内に気泡があると、ペダルで発生した圧力がエアーに吸収されて、ブレーキの効きが甘くなってしまう現象です。
エアーが混入していると、ペダルを踏んだ時の感覚にカッチリ感がなく、スポンジー (フワフワする) になります。レース現場では出走する前に必ずこの作業を行います。
A. 呼び方が異なるだけで、同じと理解してください。
正しくはブレーキフルード (Brake Fluid) と呼びます。フルードとは圧力を伝達する液体の総称です。
ブレーキオイルと呼ぶのは、その昔、グリコール系が登場する前には 「ひまし油」 や 「鉱物油」 を使っていましたので、その名残りと考えてください。
A. リザーバータンクを良く見ると、上限 (Max) と下限 (Min) を示すラインが必ずありますので、この間にフルードがあれば問題ありませんが、下限よりも下の場合にはフルードを足してください。
Max ラインよりも入れ過ぎますと、熱膨張によりフルードが溢れ出る可能性が高くなり、こぼれたフルードは他の金属を腐食させてしまいますので、注意してください。
補充する場合はタンク内の DOT 番号と同じフルードを足してください。カーショップやガソリンスタンドで補充用 (100cc 程度) が販売されています。
A. 厳密には良くありませんが、下限ライン (Min) よりもフルードが少ない場合には補充してもかまいません。
ただし、沸点の性能が低い方 (この場合には DOT-3) になってしまいます。反対に、DOT-3 に DOT-4 を継ぎ足しても DOT-4 の性能にはなりません。
A. 極少量のフルードは蒸発してしまいますが、量が減る大きな原因はブレーキパッドの摩耗が原因です。
ブレーキを酷使しますと、当然のことながらパッドは減りますので、パッドが減った分、タンク内フルードも減ります。
A. 基本は冷暗所。温度変化の少ない屋内保管を推奨します。また、ゴミや水分は大敵ですので、必ず容器のキャップを密栓してください。
A. フルードの寿命が来たから交換するのです。
ブレーキフルードには吸湿性があるために、2年程度で沸点が低くなってベーパーロックの危険性が高まるために必ず全量交換します。
もし、交換しないで放置した場合にはフルードに添加されている防錆剤の効果もなくなり、さらに水分が上昇することで、ブレーキシステム内に錆びが発生、ブレーキが効かないトラブルが発生します。
A. 確かに矛盾していますが、車両メーカーはブレーキシステムに使用されている材質を全て把握しておりますので、新車に使用されるフルードは材質にマッチしたベストな物をフルードメーカーと共同開発、3年間の使用を前提に作られています。
しかし、初回車検の時には汎用のフルードに交換されますので、以後は 2年毎に全量交換することになっています。
A. はい、使えます。バイクの取り扱い説明書に書いてある指定の DOT 番号を使用してください。
A. 大丈夫です。
黄色に変色するのは添加されている 「酸化防止剤」 や 「防錆剤」 などの添加剤の色が経年変化しただけで、フルードの性能とは無関係ですので、ご安心ください。