A. Long Life Coolant の頭文字を採って、LLC と略していますが、ラジエターに入れる液体のことです。
Coolant とは 「冷却液」 のことで、Long Life は 「長寿命」 を意味しています。つまり、2年程度は交換不要のラジエター用冷却液のことで、すでに自動車の水冷エンジンには全て使用されています。
A. まだ、LLC が登場する前に使用されていた文字どおり、エジエターの水を凍らせない液体のことで、
今はほとんど使われることはありません。
LLC がない時代には、冬になる前に不凍液をラジエターに入れ、春になると抜く作業が必要でした。
不凍液を入れたままにしておくとエンジン内部の水路やウオーターポンプ、ラジエター本体などにダメージを与えますので、放置するのは良くありません。
不凍液の主成分は 「エチレングリコール」 (Ethylene Glycol) と呼ばれる、アルコールの一種です。
融点 (液体が固体になる温度) が低いことで、不凍液として利用されるようになりました。エチレングリコールには甘味がありますが、飲み込むと人体に有害です。すでに、時代は不凍液から LLC に移行しておりますので、
不凍液の使用は必要ありませんし、一般的には入手困難です。
A. 不凍液の中身はエチレンレングリコール、LLC はさらに 「防錆剤」 と 「消泡剤」 を加えてあります。
つまり、不凍液は冬場だけの使用に限られますが、LLC は四季を通して 2年程度の長期間の使用が可能です。
不凍液にも少量の 「防錆剤」 と 「消泡剤」 を加えてありますが、寿命はひと冬分と理解してください。
防錆剤 : | 文字どおり、金属腐食を防ぐ添加剤です。エンジン内部の水路やウオーターポンプ、ラジエター内部の金属類が錆びるのを未然に防いでいます。 |
消泡剤 : | 冷却水の泡立ちを抑制します。冷却水内に泡が発生すると、エンジンからの熱を奪う能力が低下、ラジエターから熱を逃がす性能も落ちてしまいますので、オーバーヒートにつながります。 |
なお、LLC には JIS 規格も存在しますので、購入する場合には 「JIS マーク」 の有無を確認すると良いでしょう。
Gulf PRO Techno LLC シリーズは全て JIS 認定工場で生産された、JIS 規格品ですので、安心してご使用ください。
JIS 規格は下記のようになっています。
種 類 | 記 号 | 使用期間 | 摘 要 |
1種 | AF | ひと冬 | AF = Antifreeze |
2種 | LLC | 2年 | LLC = Long Life Coolant |
A. LLC 単体で使用すると良くないからです。LLC だけですと、水よりも粘度が高いですので、冷却水の流動性が悪くなります。流動性が悪いと、エンジン出力の無駄使いにもなり、冷却性能の低下も懸念されます。
従って、車を使用する冬場の外気温がマイナス何度になるか、を判断して水で希釈して使用します。
LLC 30% : | マイナス 15℃ くらいまで使用できますので、寒冷地以外であれば、これで充分ですが、冬場にスキー場にゆくなどの時に備えて、50% 希釈をおすすめします。 |
LLC 50% : | 寒冷地使用が前提であれば、水と LLC を半々で使用します。マイナス 35℃ くらいまで使用できます。 |
ただし、カーショップなどでは 「希釈済み」 の LLC も販売されています。
A. はい、そのとおり飲料用の水道水で薄めてください。
市販のミネラルウォーターは使用しないでください。理由は「硬水」 (金属分を多く含んだ水) が多いからです。硬水を使用すると、水に溶けている不純物 (カルシウムやマグネシウム) が防錆剤と反応、スケール (水あか) を発生させて放熱効果を悪くします。また、防錆性能を低下させてしまいますので、エンジン内部の金属腐食に繋がります。
日本の水道水はほとんどが 「軟水」 ですので、水道水を使用してください。ただし、場所によっては塩分の含んでいる水道水もありますので、注意してください。
参考:理想的な希釈液は 「純水」 (不純物を含まない水) です。
A. 車から液漏れをしていた場合に判断を容易にするためと、エンジンオイルと間違えないようにミス防止の意味もあります。
LLC が登場した頃は 「緑色」 だけでしたが、その後 「赤」 も出てきました。液漏れをしている場合に LLC を舐めると甘いですので、オイル類との違いを判断できますが、LLC は体内に入ると毒性がありますので、舐めるに留めて飲み込まないでください。
A. 日本の車両メーカーが純正 LLC に色を着色したもので、色が違うだけで性能は同じです。
赤 : | トヨタとダイハツが 「赤」 を使用しています。 |
緑 : | トヨタとダイハツ以外のメーカーは緑です。 |
赤と緑については、日本車だけに限ったことです。外車の場合はこれ以外の色が使用されている場合がありますので、注意してください。
Gulf PRO Techno LLC シリーズは外国車にも使用できます。
A. 異なるのは色だけですので、LLC 性能には問題ありませんが、赤と緑を混ぜると変な色になり、もし車を点検や修理に出した時に、LLC の異常と判断されて勝手に交換されてしまう場合がありますので、注意してください。
A. まず、Super LLC が開発された背景を説明します。
すでに、トヨタやホンダを始め、ほとんどの車両メーカーが Super LLC を使用しています。
Gulf Super LLC は 4年または 10万キロの使用が可能です。凍結温度はマイナス 40℃、「青」 と 「ピンク」 があります。ピンクはトヨタとダイハツ、青はそれ以外の車両メーカー用としてご使用ください。青とピンクに性能差はありません。本製品は純水で希釈されておりますので、そのまま薄めずに 「全量交換」 にてご使用ください。
A. 水だけの継ぎ足しは避けてください。LLC と水を半々にした冷却液を作って補充してください。
現代車はラジエターとリザーブタンクがホースでつながっており、冷却水の補充はリザーブタンクから行うような構造になっています。
A. LLC 交換をする時には必ず行う作業ですが、ラジエターのドレインから冷却水を抜くと、冷却系に空気が入り込みます。
新しい LLC を入れても冷却系に空気溜まりが出来てしまいますので、LLC 投入後にエンジンをかけて水温が上がるのを待ち、サーモスタットが開くまでエンジンをアイドリングしておきます。
水温が上がったら、ラジエターキャップを開け、LLC がこぼれる手前まで補充します。ラジエターキャップを締めて、再度エンジンをかけ、今度はリザーバータンク内の LLC 量を確認、減っていた場合には MAX ラインまで LLC を補充します。
この作業をしっかりしておかないと、ラジエター内部の水量が少ないままで走ることになりますので、オーバーヒートになる可能性が高まります。
A. LLC の寿命が来たから、交換するのです。
LLC には 「防錆剤」 と 「消泡剤」 が添加されていますが、これらが消耗してその効果を発揮できなくなるからです。そのまま放置すると、ウオーターポンプのプロペラが錆びて小さくなったり、消泡効果が無くなってオーバーヒートに遭遇する可能性が高くなります。
交換は自分でもある程度の知識があれば可能ですが、使用済みの LLC の廃棄処理問題もありますので、プロに任せることをおすすめします。
A. まったく問題ありませんが、古い LLC を完全に抜き取る作業が必要ですので、ご自分では作業をせずに整備工場に依頼してください。
A. Gulf Super LLC であれば、問題ありません。安心してご使用ください。
外国車の場合は防錆剤の成分が異なりますので、古い LLC を抜いた後に充分に清水でエンジン内部とラジエターなどの水路をクリーニングしてください。
A. 確かに、都心だけの移動を考慮した場合、外気温がマイナスになることがなければ、LLC の必要はありません。しかし、水だけではエンジンやウオーターポンプ、ラジエターに使用されている金属部品を錆びから守ることはできません。
LLC には 「防錆剤」 が添加されていますので、水路が錆びるのを未然に防止しています。「防錆剤」 には寿命がありますので、2年毎 (車検など) の交換をおすすめします。
A. 熱を奪う能力を判定するのに 「比熱」 と呼ばれる数字を使います。数字が大きければ熱を奪う能力が高いのです。
水の比熱は 「1」、エチレングリコールは 「0.6」、この数字だけですと、水だけの方が良く冷える理屈になります。しかし、LLC は水で希釈しますので、0.8 程度に比熱の数字が上がります。
もう一点の項目は沸点 (沸騰する温度) です。大気圧で水は 100℃ で沸騰しますが、エチレングリコールの沸点は約 200℃ です。
現代車のラジエターは半密閉式で加圧されているため、実際の沸点はさらに高くなります。つまり、比熱の高い水でも 120℃ 程度で沸騰してしまうため、オーバーヒートになりやすいということですので、LLC の使用が一番無難です。
A. LLC に添加されているアミンと亜硝酸が化学反応することで、発ガン性物質 (ニトロソアミン) 生成の恐れがあることが発表されたことで、1977年以降の LLC はノンアミンタイプに移行されています。
Gulf PRO Techno LLC シリーズは全て環境に配慮した 「ノンアミンタイプ」 です。
A. 正しい効果のある製品のようです。某製品の主成分は 「防錆剤」 と 「消泡剤」 です。長期間の使用で効果を失ってきた錆び止め性能と泡立ち防止の性能を文字通り復活させる性能を持っています。
しかし、例えば 2年間使用した LLC に復活剤を投入しても、その効果は 1年程度と考えてください。
A. 使用過程車の場合は、車検ごとの全量交換を推奨します。
新しい LLC には不凍液効果のあるエチレングリコールと 「防錆剤」、さらに 「消泡剤」 が添加されていますが、性能を維持できるのは約 2年間ですので、車検の時に交換するのがベストです。
A. 大丈夫です。四輪用の LLC を使用してください。
ご自分で交換する場合は、カーショップなどで販売されていますので、購入すると良いでしょう。
A. 保管状況にもよりますが、未開封の場合であれば賞味期限はありません。開封済みの場合は 2年 (次回の車検) 程度で使い切ってください。
保管場所は 「冷暗所」 が基本ですので、必ず密栓して屋内保管をお薦めします。もしも、何年前の物か、分からない LLC の場合は使用を控えることをお薦めします。